2025/02/25 08:55
売り先行か、米国の対中圧力を不安視 
◆25日の香港マーケットは、米国の対中圧力を警戒し売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は依然として不透明。21日の米株市場は、値ごろ感の買いが散見されたものの、「トランプ関税」の警戒感で上値の重い展開だった。先週に約1カ月ぶりの安値を付けた主要指標のNYダウは前営業日比0.1%高と3日ぶりに小反発したが、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.2%安と3日続落している。トランプ米大統領は24日、延期していたカナダ・メキシコからの輸入品に対する25%の関税について、予定通り実施すると述べた。関税は3月4日に発動が予定されている。また、マイクロソフトが人工知能(AI)の訓練などに使うデータセンターの投資拡大を減速しているとアナリストが指摘する中、関連銘柄に売りが広がった。
中国銘柄は急落。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は5.2%安と3日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が10.2%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が10.0%安、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:TME/NYSE、1698/HK)が9.7%安、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が7.3%安と下げが目立っている。アリババは24日、クラウドコンピューティングとAIに関連するインフラ構築に今後3年間で3800億人民元(約7兆8230億円)超を投資する計画を明らかにしたが、市場では財務や投資収益率に対する影響が不安視された。
米国の対中圧力も懸念。米通商代表部(USTR)はこのほど、米国に入港する中国船などに対し、1回あたり100万米ドル(約1億5000万円)の入港料を徴収する案を公表した。また、トランプ米大統領は21日、先端技術や重要インフラ、医療など安全保障に関わる戦略部門への中国からの対米投資を制限するよう関係部局に指示している。そのほか、トランプ米政権は個人・企業への二重課税を回避する目的で、米中で1984年に結んだ租税条約や、中国企業が米国の取引所に上場する際に使用する「VIE(変動持分事業体)」スキームについても見直しが必要だとした。
商品相場は、WTI原油先物が0.4%高と反発し、金先物も0.3%高と反発。金先物は一時、史上最高値を更新している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が軒並み下落した。
一方、内部環境は良好。各種政策を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の開幕を来週(3月5日)に控え、中国の政策に対する期待感も高まる状況だ。ただ、中国指標の発表は気がかり。週末の3月1日に2月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)と非製造業PMI、3日に民間集計の財新・中国製造業PMI、5日に財新・中国サービス業PMIが予定されている。国家統計局による製造業PMIは1月の49.1から50.0、非製造業PMIは50.2から50.4にそれぞれ上向くとの予想がコンセンサスだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは苦戦を強いられそうだ。中国の政策に対する期待感は根強いものの、米国の対中圧力が不安視されよう。また、米ハイテク株安も逆風だ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は依然として不透明。21日の米株市場は、値ごろ感の買いが散見されたものの、「トランプ関税」の警戒感で上値の重い展開だった。先週に約1カ月ぶりの安値を付けた主要指標のNYダウは前営業日比0.1%高と3日ぶりに小反発したが、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.2%安と3日続落している。トランプ米大統領は24日、延期していたカナダ・メキシコからの輸入品に対する25%の関税について、予定通り実施すると述べた。関税は3月4日に発動が予定されている。また、マイクロソフトが人工知能(AI)の訓練などに使うデータセンターの投資拡大を減速しているとアナリストが指摘する中、関連銘柄に売りが広がった。
中国銘柄は急落。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は5.2%安と3日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が10.2%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が10.0%安、騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:TME/NYSE、1698/HK)が9.7%安、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が7.3%安と下げが目立っている。アリババは24日、クラウドコンピューティングとAIに関連するインフラ構築に今後3年間で3800億人民元(約7兆8230億円)超を投資する計画を明らかにしたが、市場では財務や投資収益率に対する影響が不安視された。
米国の対中圧力も懸念。米通商代表部(USTR)はこのほど、米国に入港する中国船などに対し、1回あたり100万米ドル(約1億5000万円)の入港料を徴収する案を公表した。また、トランプ米大統領は21日、先端技術や重要インフラ、医療など安全保障に関わる戦略部門への中国からの対米投資を制限するよう関係部局に指示している。そのほか、トランプ米政権は個人・企業への二重課税を回避する目的で、米中で1984年に結んだ租税条約や、中国企業が米国の取引所に上場する際に使用する「VIE(変動持分事業体)」スキームについても見直しが必要だとした。
商品相場は、WTI原油先物が0.4%高と反発し、金先物も0.3%高と反発。金先物は一時、史上最高値を更新している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が軒並み下落した。
一方、内部環境は良好。各種政策を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の開幕を来週(3月5日)に控え、中国の政策に対する期待感も高まる状況だ。ただ、中国指標の発表は気がかり。週末の3月1日に2月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)と非製造業PMI、3日に民間集計の財新・中国製造業PMI、5日に財新・中国サービス業PMIが予定されている。国家統計局による製造業PMIは1月の49.1から50.0、非製造業PMIは50.2から50.4にそれぞれ上向くとの予想がコンセンサスだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは苦戦を強いられそうだ。中国の政策に対する期待感は根強いものの、米国の対中圧力が不安視されよう。また、米ハイテク株安も逆風だ。
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