2025/01/20 09:07
神経質な値動きか、トランプ新政権の政策が気がかり
◆週明け20日の香港マーケットは、トランプ政権発足を前に神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は安定的。17日の米株市場は、米景気期待が高まる中で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.8%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5%高とそろって反発している。国際通貨基金(IMF)が17日公表した世界経済見通しでは、米国の2025年成長率を24年10月の前回見通し2.2%から、今回は2.7%と大幅に引き上げた。足元の米経済指標も堅調。昨年12月の米住宅着工件数は予想(3.2%増)を大幅に上回る15.8%増に拡大し、12月の米工業生産指数も予想を上回る伸びを示した。ただ、様子見ムードが漂う中で、上値は限定されている。トランプ次期米大統領の就任式の20日は、キング牧師生誕祭で休場。就任直後に多数の大統領令に署名すると予想され、通商政策などの方針を見極めたいとするスタンスも強まっている。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は3.2%高と4日続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が10.1%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が4.8%高、微博(ウェイボー:WB/NASDAQ、9898/HK)が3.8%高と上げが目立っている。
商品相場は、WTI原油先物が1.0%安と続落し、金先物が0.1%安と4日ぶりに反落。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品が概ね上昇した。
内部環境も良好。中国経済の鈍化懸念が薄らいでいる。17日報告された24年の中国GDP成長率は前年比5.0%で着地。市場予想(4.9%)を上回り、政府目標の「5%前後」を達成した。12月の各種統計でも、小売売上高や鉱工業生産などが上振れている。IMFは成長率5%について、「ポジティブなサプライズ」と述べた。また、IMFは中国の25年成長率予想に関し、前回の4.5%から4.6%に引き上げている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米中の景気懸念が後退したことを材料に買い先行しそうだが、トランプ次期米大統領の就任式を20日に控え(日本時間21日)、買い一巡後は模様眺めのスタンスで上値も重くなりそうだ。
なお、中国ではきょう20日(日本時間10時ごろ)、実質的な政策金利となる1月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が発表される。銀行貸出の指標となる1年物LPRは3.10%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRは3.60%に据え置かれる見通しだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は安定的。17日の米株市場は、米景気期待が高まる中で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.8%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5%高とそろって反発している。国際通貨基金(IMF)が17日公表した世界経済見通しでは、米国の2025年成長率を24年10月の前回見通し2.2%から、今回は2.7%と大幅に引き上げた。足元の米経済指標も堅調。昨年12月の米住宅着工件数は予想(3.2%増)を大幅に上回る15.8%増に拡大し、12月の米工業生産指数も予想を上回る伸びを示した。ただ、様子見ムードが漂う中で、上値は限定されている。トランプ次期米大統領の就任式の20日は、キング牧師生誕祭で休場。就任直後に多数の大統領令に署名すると予想され、通商政策などの方針を見極めたいとするスタンスも強まっている。
中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は3.2%高と4日続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が10.1%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が4.8%高、微博(ウェイボー:WB/NASDAQ、9898/HK)が3.8%高と上げが目立っている。
商品相場は、WTI原油先物が1.0%安と続落し、金先物が0.1%安と4日ぶりに反落。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品が概ね上昇した。
内部環境も良好。中国経済の鈍化懸念が薄らいでいる。17日報告された24年の中国GDP成長率は前年比5.0%で着地。市場予想(4.9%)を上回り、政府目標の「5%前後」を達成した。12月の各種統計でも、小売売上高や鉱工業生産などが上振れている。IMFは成長率5%について、「ポジティブなサプライズ」と述べた。また、IMFは中国の25年成長率予想に関し、前回の4.5%から4.6%に引き上げている。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米中の景気懸念が後退したことを材料に買い先行しそうだが、トランプ次期米大統領の就任式を20日に控え(日本時間21日)、買い一巡後は模様眺めのスタンスで上値も重くなりそうだ。
なお、中国ではきょう20日(日本時間10時ごろ)、実質的な政策金利となる1月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が発表される。銀行貸出の指標となる1年物LPRは3.10%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRは3.60%に据え置かれる見通しだ。
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