2025/02/24 09:09
上値の重い展開か、米株安が逆風 
◆週明け24日の香港マーケットは、米株安を嫌気し上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はネガティブ。21日の米株市場は、米景気懸念が強まる中で売りが継続する展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.7%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も2.2%安と続落している(NYダウは約1カ月ぶりの安値)。経済指標の悪化が相次ぐ。1月の米中古住宅販売は年率換算で前月比4.9%減となり(マイナスは4カ月ぶり)、2月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)は64.7と、前月の71.7から低下した。そのほか、S&Pが公表した2月の米国購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.4と、前月の52.7から低下し、2023年9月以来の低水準となっている。高関税や政府支出削減など、トランプ政権が打ち出す政策に対する懸念が重しとなった。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は18.21となり、前日比で16.28%急上昇している。
米中関係の悪化も不安視。トランプ米政権は21日、先端技術や重要インフラなど安全保障に関わる分野で、中国からの対米投資を制限するよう関係部署に指示した。また、米国務省はホームページの外交方針を記したファクトシートを更新し、中国共産党を名指しで批判している。中国側は強烈な不満を表明し、自国の正当な権利と利益を守るために必要な措置を取ると強調した。
一方、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.7%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が5.7%高、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が4.1%高、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が4.0%高、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が3.2%高と上げが目立っている。
商品相場は、この日から期近が4月物となったWTI原油先物が2.9%下落し、金先物が0.1%安と反落している。金先物は前日、約1週ぶりに最高値を更新していた。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね下落している。
一方で内部環境は良好だ。中国のスタートアップ企業(DeepSeek)が低コスト、かつ高性能な生成AI(人工知能)の大規模言語モデル(LLM)を開発したことや、習近平・国家主席が先ごろ、民営企業の創業者や経営トップとの座談会を開催したことを受け、テック産業が中国経済をけん引するとの期待が高まっている。また、各種政策を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の開幕(3月5日)を来週に控えることもプラスだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の政策に対する期待感は引き続き支えとなりそうだが、米株が大幅に下げたことを嫌気する売りも出そうだ。また、米中関係の更なる悪化が懸念されていることも不安視されよう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はネガティブ。21日の米株市場は、米景気懸念が強まる中で売りが継続する展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.7%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も2.2%安と続落している(NYダウは約1カ月ぶりの安値)。経済指標の悪化が相次ぐ。1月の米中古住宅販売は年率換算で前月比4.9%減となり(マイナスは4カ月ぶり)、2月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)は64.7と、前月の71.7から低下した。そのほか、S&Pが公表した2月の米国購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.4と、前月の52.7から低下し、2023年9月以来の低水準となっている。高関税や政府支出削減など、トランプ政権が打ち出す政策に対する懸念が重しとなった。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は18.21となり、前日比で16.28%急上昇している。
米中関係の悪化も不安視。トランプ米政権は21日、先端技術や重要インフラなど安全保障に関わる分野で、中国からの対米投資を制限するよう関係部署に指示した。また、米国務省はホームページの外交方針を記したファクトシートを更新し、中国共産党を名指しで批判している。中国側は強烈な不満を表明し、自国の正当な権利と利益を守るために必要な措置を取ると強調した。
一方、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.7%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が5.7%高、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が4.1%高、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が4.0%高、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が3.2%高と上げが目立っている。
商品相場は、この日から期近が4月物となったWTI原油先物が2.9%下落し、金先物が0.1%安と反落している。金先物は前日、約1週ぶりに最高値を更新していた。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね下落している。
一方で内部環境は良好だ。中国のスタートアップ企業(DeepSeek)が低コスト、かつ高性能な生成AI(人工知能)の大規模言語モデル(LLM)を開発したことや、習近平・国家主席が先ごろ、民営企業の創業者や経営トップとの座談会を開催したことを受け、テック産業が中国経済をけん引するとの期待が高まっている。また、各種政策を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の開幕(3月5日)を来週に控えることもプラスだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の政策に対する期待感は引き続き支えとなりそうだが、米株が大幅に下げたことを嫌気する売りも出そうだ。また、米中関係の更なる悪化が懸念されていることも不安視されよう。
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