2025/02/21 09:12
中国の政策期待で買い先行か、好決算のアリババはADR8.1%高 
◆21日の香港マーケットは、中国の政策期待で買い先行か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。19日の米株市場は、小売大手の弱気な業績見通しが重しとなる展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.0%高と3日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%安と6日ぶりに反落している。ウォルマートが公表した26年1月期(通期)の業績見通しが予想に届かず、トランプ関税の悪影響で消費活動が鈍ると懸念された。ウォルマート株は6.5%安と急落し、他の消費関連株にも売りが波及している。米関税政策を巡っては、トランプ米大統領が自動車や半導体のほか、医薬品、木材などへも追加関税を課すことを検討していると伝わっている。一方、米長期金利は低下。19日米債券市場では、景気減速を示す指標の結果を受け、米10年債利回りは低下に転じた。新規失業保険申請件数(週間)が予想を上回り、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が1月を大幅に下回っている。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.6%高と3日ぶりに反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が12.8%高、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が8.8%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が8.1%高と上げが目立っている。アリババの10〜12月期決算は純利益が3.4倍に拡大し、予想も上回った。クラウド事業の需要の収益が改善。経営陣は人工知能(AI)産業の拡大で、今後もクラウドサービスの伸びが拡大し続けると説明し、データセンターの万国数拠などの刺激材料となった。
商品相場は、WTI原油先物が0.4%高と3日続伸する一方、金先物が0.7%高と反発。金先物は約1週ぶりに史上最高値を更新している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が軒並み上昇した。
内部環境は良好。中国の政策に対する期待感が高まっている。李強・首相は20日、国内経済の下支えに向け、的を絞った景気刺激策を打ち出す必要があると述べている。また、中国商務部と国家発展改革委員会は20日、対中投資の規制緩和策として、中国国内で融資を受けた資金で株式投資を行うことを認めると発表した。
中国株の強気論が相次いでいることもプラス。モルガン・スタンレーのストラテジストらは19日付のレポートで、中国株に対する弱気見通しを撤回した。今週はゴールドマン・サックスやJPモルガン、UBSなども強気見通しを相次ぎ示している。足元では、グローバルヘッジファンドが中国株への投資を積極化しているとも伝わった。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行か。米株安やトランプ関税の警戒感は重しとなるものの、中国の政策に対する期待感が相場を支えよう。米長期金利が低下したことも安心材料だ。好決算を報告したアリババ株の上昇も投資家のセンチメントを上向かせよう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。19日の米株市場は、小売大手の弱気な業績見通しが重しとなる展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.0%高と3日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%安と6日ぶりに反落している。ウォルマートが公表した26年1月期(通期)の業績見通しが予想に届かず、トランプ関税の悪影響で消費活動が鈍ると懸念された。ウォルマート株は6.5%安と急落し、他の消費関連株にも売りが波及している。米関税政策を巡っては、トランプ米大統領が自動車や半導体のほか、医薬品、木材などへも追加関税を課すことを検討していると伝わっている。一方、米長期金利は低下。19日米債券市場では、景気減速を示す指標の結果を受け、米10年債利回りは低下に転じた。新規失業保険申請件数(週間)が予想を上回り、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が1月を大幅に下回っている。
中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.6%高と3日ぶりに反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が12.8%高、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が8.8%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が8.1%高と上げが目立っている。アリババの10〜12月期決算は純利益が3.4倍に拡大し、予想も上回った。クラウド事業の需要の収益が改善。経営陣は人工知能(AI)産業の拡大で、今後もクラウドサービスの伸びが拡大し続けると説明し、データセンターの万国数拠などの刺激材料となった。
商品相場は、WTI原油先物が0.4%高と3日続伸する一方、金先物が0.7%高と反発。金先物は約1週ぶりに史上最高値を更新している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が軒並み上昇した。
内部環境は良好。中国の政策に対する期待感が高まっている。李強・首相は20日、国内経済の下支えに向け、的を絞った景気刺激策を打ち出す必要があると述べている。また、中国商務部と国家発展改革委員会は20日、対中投資の規制緩和策として、中国国内で融資を受けた資金で株式投資を行うことを認めると発表した。
中国株の強気論が相次いでいることもプラス。モルガン・スタンレーのストラテジストらは19日付のレポートで、中国株に対する弱気見通しを撤回した。今週はゴールドマン・サックスやJPモルガン、UBSなども強気見通しを相次ぎ示している。足元では、グローバルヘッジファンドが中国株への投資を積極化しているとも伝わった。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行か。米株安やトランプ関税の警戒感は重しとなるものの、中国の政策に対する期待感が相場を支えよう。米長期金利が低下したことも安心材料だ。好決算を報告したアリババ株の上昇も投資家のセンチメントを上向かせよう。
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