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2025/02/27 08:52 NEW!!

上値の重い展開か、米関税政策を不安視 無料記事

◆27日の香港マーケットは、米関税政策の不透明感で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には好悪材料が入り混じる。まず、ハイテク大手の好決算はプラスだ。半導体大手のエヌビディアが26日、米株マーケットの引け後に報告した2024年11月〜25年1月期決算は市場予想を上回り、25年2〜4月期の売上高見通しも予想を上回っている。決算説明会では、新型のAI(人工知能)半導体「ブラックウェル」の販売が想定を超えたと述べ、今後の需要についてもかなり強いと自信を示した(同社株は時間外取引で一時3%超上昇)。
 半面、「トランプ関税」の警戒感が続いていることはマイナス。トランプ米大統領は26日、欧州連合(EU)からの輸入品に対する25%の関税賦課を検討中で、近く発表する予定だと語った。
 26日の米株市場は、まちまちの展開。主要指標のNYダウは前日比0.4%安と3日ぶりに反落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と5日ぶりに反発している。
 米債券市場では、米経済指標の悪化を受けた利下げ期待の高まりで、米10年債利回りが連日の低下。一時、昨年12月中旬以来の低水準を付けた。
 中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は3.7%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が15.0%高、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が10.3%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が10.3%高、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が6.1%高と上げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が0.4%安と続落し、一時、約2カ月半ぶりの安値を付けた。金先物は0.4%高と反発している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅が上昇する半面、アルミが下落するなど主要産品はまちまちだった。
 一方、中国では今週末の3月1日に2月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)と非製造業PMI、3日に民間集計の財新・中国製造業PMI、5日に財新・中国サービス業PMIが予定されている。また、5日には各種政策を決定する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開幕する予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。ハイテク産業の業績拡大や、中国の政策に対する期待感は高まっているが、米関税政策が不安材料だ。また、前日の香港市場で主要指数のハンセン指数が約3年ぶりの高値を付けたほか、本土市場では科創板が約1年10カ月ぶりの高水準を付けたとあって、売り圧力も意識されよう。


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